その女性は親に褒められたことがないといいます。
高学歴になるのが至上命題
Sさんの家庭の家族構成は、公務員の父、専業主婦の母、2歳年上の姉、Sさんの4人です。父親は旧帝大卒、母は私立の短大卒で、両親ともに子供たちは高学歴になるのが当然という考えを持っていました。
そのため学業については特に厳しかったと言います。
学歴重視の親に否定されてきた子供時代
お姉さんは成績優秀で、Sさんはいつも比べられてきました。中学時代、Sさんは定期テストで学年20番以内に入っていたものの、いつも母親から言われるのは「あんたは10位以内にも入れないの」といった冷たい言葉。
高校進学後、Sさんは勉強を頑張りトップ争いをするようになるも、2位をとったら「1位じゃないし」、1位を取れば「そんなにレベルの高い高校じゃないし」と、親はまるで褒める様子がありません。
それでも「もっと頑張れば認めてもらえるはず」と考えたSさんは、猛勉強して国立大学に合格します。
それでやっと「褒めてもらえる、認めてもらえる」と安心したSさんでしたが、母親から言われた一言は、Sさんの想像したものとは違う言葉でした。
「勉強できる環境を与えてやったんだから感謝しろ」
その瞬間、Sさんは悟ったといいます。
親に、自分を褒めるつもりはないのだと。
子供を支配下に置きたかっただけだと。
Sさんはその時のことを振り返り、こう言います。
「確かに勉強できる環境を与えてもらったことには感謝しています。でも、それを言われたら子供は何も言い返せません。私は特別なことをしてほしかったわけじゃないんです。ただ、『よく頑張ったね。えらいね。』と言ってほしかった。たったそれだけのことを求めてました。それなのに、『親のほうが偉いんだ。調子にのるな』という態度を示されたことが、ただただ悲しかったんです。」
親の理想の子供を必死に演じ続けてきたSさんにとって、この経験は親への期待を冷めさせるには十分な出来事だったようです。
毒親が文句ばかり言う理由
Sさんの親は学歴にこだわっていたにもかかわらず、偏差値の高い大学に合格したSさんを認めませんでした。それはなぜなのでしょうか。
世間体の道具でしかないため
まずは、子供を道具としてみていたためだと考えられます。
毒親は子供は親の所有物だという感覚を持っています。
そのため、子供を世間体のための道具とみなし、それを”使う”正当な権利があるかのように考えています。子供が親の期待に応えるのは当然であり、そこに称賛は必要ないということです。
コントロールを容易にするため
次に、支配そのものが目的だったことも考えられます。否定することで子供に対し、「親の方が偉いのだ」という上下関係を学習させます。
そこでコントロールを容易にするのです。
子供の虚無感
どのような理由があろうと、親の希望をかなえようとしてきた子供に、大きな虚無感を残すことは間違いありません。毒親は子供の時間を無に帰してしまうのです。
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