辛い経験を忘れたい… 毒親を乗り越える方法

毒親の毒は自然に抜けることはありません。
ある手続きが必要です。
その”解毒”の方法を考えていきましょう。


毒親の乗り越え方 解毒の3段階

毒親の乗り越え方は、大きく対決・救済・自立の3つの段階に分かれます。

毒親との対決

まずは毒親との対決が必要です。

具体的には、毒親に今まで言えなかった辛いことを打ち明けましょう。
親を前にすると何も言えなくなってしまうと思うので、言いたいことはあらかじめ紙に書いておくといいでしょう。
このようなことを書いてください。

①過去にどのようなことをされたか
②自分はどう思ったか
③それによってどういう悪い影響があったか
④自分はどうしてほしかったか

親と対峙することがどうしてもできない場合や、親が他界している場合は手紙を書きましょう。
そしてそれを親に送るか、親に話しているつもりで読んでみてください。
信頼できるパートナー、友人がいる場合は、その人に頼んで聞いてもらうのも有効です。

そんなことをしてどうなるのか、と思う人もいるでしょう。
きっとまた否定され、罵倒されるだろうと想像していると思います。

今までと同じように、今回もきっと
「お前は何を言っているんだ」
「親を責めるなんて」
と被害者意識丸出しであなたを責めるに違いありません。
きっと和解はできないでしょう。

ではなぜこのようなことをするのでしょうか。
この作業は親を説得するために行うわけではありません。
気持ちに整理をつけるためです。

あなたは
「親を責めたらかわいそう」
「せっかく育ててくれたのに」
と自分を責めてきませんでしたか?
ずっと、親に自分の気持ちを言うのを遠慮してきませんでしたか?

それは親を大事に思うからですよね?

同じような思いやりを、本来は親も子供に持つべきだったのです。

あなたは決死の覚悟で親に自分の辛い気持ちを打ち明けました。
それでも親はあなたの気持ちを受け入れてはくれない。

そのような現実に直面し、もう仲の良い親子関係を築くのは無理だと実感することが狙いです。
酷なことではありますが、親と決別するには「自分にとって親と離れることが最善策である」ということに心の底から納得する必要があります。

強大な存在であった親の存在感を自分の中で小さくするのです。
そういう意味では、この対決は決別を目的にしています。

救済 記憶の中の自分を救う

あなたの中の親の存在感が小さくなったら、あなたは救われる必要があります。
今までの記憶を上書きするイメージです。

そこで、自分の今までの経験を踏まえた物語を書きましょう。

ここでのポイントはこのようなものです

・一人称はあなたの名前にする
・実体験に基づいたエピソードを書く
・それにどう対応してほしかったのか、理想を書く
・必ずハッピーエンドにする

すこし子供だましだと思うかもしれませんが、これは救済の効果があります。
あなたにとって大切な物語になるでしょう。

自立 辛い経験を忘れるために

次はあなたが一人の人間として精神的に自立する必要があります。
そこで1週間後の自分に手紙を書きましょう。
毒親から自由になるためにどういう言葉をかけてほしいか、ということを考えながら書くといいでしょう。

「私は私として存在していていい」
「私が私であるだけで素晴らしいことである」
「私は私の幸せを願う自由がある」
ということを考えながら書くと効果的です。

例えばこのように書いてください

こんにちは。
生きててくれてありがとう。
いま、あなたは楽しく生きていますか?
私はすこし落ち込んでいます。
親が私を冷たい目で見る記憶が脳裏に焼き付いてをして、苦しい思いをしているんです。
でも、やっぱり辛い思いから逃れたい。
自信を持って、堂々と生きていきたい。
この苦しみが長く続かないように、今のあなたが幸せに過ごしていることを願っています。
乗り越えていこうね。
大切な私へ

誰かに見つかると恥ずかしいですが、思いの外効果がある方法です。
手紙の内容を覚えていない方が望ましいので、1週間では短い人はもっと後の分まで一緒に書いてしまうことをおすすめします。

これを何度もくり返しましょう。


乗り越えたつもりでも…副作用に注意

乗り越える段階では罪悪感がつきまといます。
代表的な例を挙げておきます。

夢に出てくる

親のことを気にするあまり、夢に出てきてしまい、それを気に病む方がいらっしゃいます。
夢というのは脳が記憶に関する処理をしている状態の副産物だと考えられています。
あなたの脳は辛い親の記憶を整理するために頑張っているのです。

何かの暗示ではありませんし、支配が継続しているわけでもありません。

 バチが当たるかもと罪悪感に苛まれる

親を否定するのは勇気がいることですよね。
そのため「バチが当たるかも」と心配になってしまうこともあると思います。

でも、親子関係が悪くなる原因を作ったのは親です。
あなたではありません。
あなたは自分を守っているだけです。
バチが当たるようなことをしてはいないのです。

親孝行してあげられなくてかわいそうと思う

親孝行をしてあげられなくて申し訳なく思ってしまうこともあるでしょう。

自然と親孝行したいと思える関係は素晴らしいと思います。
ただ、それは親から子へ与えられてきた愛情や安心感があってのことなのです。

毒親の場合は、そういったものが子供に与えられてきませんでした。

親孝行は自己犠牲してまですることではありません。
親孝行できない自分を責めることはしないでください。






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